戸建てを購入する際、多くの方が住宅ローンを組むでしょう。
そのときに「頭金」の準備があるかどうか問われることがあります。
頭金なしで、住宅ローンを組むことは可能なのでしょうか?
本記事では、住宅ローンを組む際の頭金とは何か、また頭金なしで戸建てを購入するメリットやデメリットについて解説します。
戸建ての購入を検討中の方は、ぜひ参考にご覧ください。
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住宅ローンは頭金なしでも組める?そもそも頭金とはどんなもの?
かつては頭金なしでは住宅ローンを組めず、数百万円の頭金を用意することが一般的でした。
しかし現在では、頭金がなくても住宅ローンを組めます。
さらに低金利の現代では、貯金があっても頭金なしで住宅を購入する方が増えているのです。
実際に「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」のアンケート調査では、ローンを組んで住宅を購入した世帯のうち、27%が頭金なしと答えています。
とはいえ、頭金なしで住宅ローンを組むには、通常よりも厳しい審査がおこなわれるなどのデメリットも存在します。
頭金なしで住宅ローンを組むかどうかは、メリット・デメリットどちらも理解したうえで検討しなければなりません。
そもそも頭金とは?
頭金とは、住宅ローンで借り入れせずに、自己資金で最初に支払うお金のことです。
たとえば、5,000万円の戸建てを購入するにあたり、500万円を自己資金、残りの4,500万円を住宅ローンで借り入れしたとします。
この場合、自己資金で支払った500万円の部分が「頭金」となるわけです。
また、物件価格の全額を借り入れすることから、別名「フルローン」とも呼ばれています。
頭金の目安は?
「頭金は物件価格の2割」という言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか?
このフレーズは、頭金が物件価格の2割以上ないと、住宅ローンを組めなかった時代のなごりといわれています。
現在では、頭金についてそのような決まりはありません。
では、実際に頭金を支払って住宅ローンを組んだ方は、どのくらいのお金を用意したのでしょうか。
国土交通省が公表している「住宅市場動向調査報告書」によると、令和元年度の頭金の平均金額は、約1,000~1,800万円です。
物件価格の割合にすると、2~4割ほどというデータがあります。
なお、この数字は全国平均のため、地域や物件の種類によっても異なると予想されます。
「頭金なし=現金がいらない」ではない
ここで注意したいのが、現金を一切支払わずに家を購入できるわけではないということです。
「頭金がいらない=現金がいらない」と思ってしまう方もいますが、そうではありません。
家を購入するときには、物件代金のほかに、諸費用(仲介手数料や登記費用、印紙税など)の支払いが必要です。
諸費用は、基本的に現金で支払わなければなりません。
頭金なしでも住宅ローンが組めるからといって、現金がまったく必要ないわけではないと理解しておきましょう。
住宅ローンを頭金なしで組む場合のメリット
バブルが崩壊してから現在に至るまで、日本では低金利が続き、頭金を多く用意するメリットが少なくなっています。
そのため、「頭金なし」を選択する人が増えてきていますが、実際どのようなメリットがあるのでしょうか?
頭金なしで住宅ローンを組むメリットは、おもに以下の4つです。
●早い時期から返済がスタートできる
●気に入った物件をすぐに購入できる
●住宅ローン控除を最大限活用できる
●手元に現金を残せる
それぞれの内容について、順番に解説します。
早い時期から返済がスタートできる
頭金が十分にない場合、頭金を貯めてから住宅を購入しようと考える方もいるでしょう。
しかし、住宅ローンを組むのが遅くなると、老後まで住宅ローンが残ってしまう可能性があります。
また、賃貸物件に住んでいる場合、頭金を貯めている間にも家賃の支払いが発生します。
長期にわたり頭金を貯めるとなると、結果的に支払い額が同じになる可能性もあるのです。
賃貸物件の家賃は掛け捨てのようなもので、いくら支払っても自分の財産にはならないですよね。
それならば、頭金なしで住宅ローンを組み、早めに返済をスタートさせ、資産を残した方が良いという考え方もあるでしょう。
気に入った物件をすぐに購入できる
気に入った住宅が見つかっても、ほかの人に買われてしまえば、当然その家は購入できません。
頭金なしで購入できるという選択肢があれば、頭金が貯まるのを待つことなく、気に入った物件をすぐに購入できるというメリットがあります。
住宅ローン控除を最大限に活用できる
住宅購入時には、条件を満たした場合に「住宅ローン控除」が受けられます。
住宅ローン控除とは、その年のローン残高の0.7%を、13年間にわたり所得税や住民税から控除できる制度です。
借り入れ額が大きくなると、還付される税金の金額も大きくなります。
そのため、頭金なしで住宅ローンを組めば、控除を最大限に活用できる可能性が高まります。
ただし、自身が納めた所得税や住民税以上のお金が戻ってくることはないという点は理解しておきましょう。
手元に現金を残せる
頭金なしで住宅を購入すれば、貯金はそのまま手元に残しておけます。
そのため、将来必要となる「教育費」や「老後資金」のための貯蓄に回せるという点がメリットです。
また、病気や事故などで、急に現金が必要になったときにも対応できるという安心感もあります。
住宅ローンを頭金なしで組む場合のデメリット
頭金なしで住宅ローンを組むと多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
●総返済額が増え返済期間が長くなる
●売却しにくくなる
●住宅ローンの審査にとおりにくくなる
それぞれの内容について、順番に解説します。
総返済額が増え返済期間が長くなる
頭金なしで住宅ローンを組むということは、購入金額の全額をローンで賄うということです。
そのため、頭金を支払って組む住宅ローンと比べて、借り入れ総額が大きくなります。
借り入れ総額が大きくなると、支払う利息が増すため、結果として総返済額が増えてしまうのです。
また、月々の返済額を減らそうとすると、その分返済期間が長くなってしまいます。
頭金なしでの住宅ローンは、住宅購入時は楽ですが、購入したあとに家計の負担になる可能性があると理解しておきましょう。
売却しにくくなる
住宅ローンを組む際は、銀行が対象の不動産に抵当権を設定します。
この抵当権がついている間は、銀行の許可なしに売却できず、抵当権を外すには住宅ローンを完済しなければなりません。
そのため、ローン残債がある状態で売却したい場合、家を売却した代金でローンを完済するのが一般的です。
しかし、頭金なしで住宅ローンを組むと、総返済額が大きくなるため、家の売却代金だけではローンを完済できない可能性が高まります。
売却代金だけでローンを完済できないとなると、預貯金などから資金を調達しなければなりません。
住宅ローンの審査にとおりにくくなる
頭金を用意しない場合、頭金を用意する方と比べて、審査の基準が厳しくなるというデメリットがあります。
なぜなら、頭金が用意できないような資金繰りをおこなっていると判断されるためです。
また、審査では、借り入れ希望額と収入の割合が合っているかどうかもチェックされます。
頭金なしで住宅ローンを組むと、借り入れ金額が増え、返済負担率も大きくなるため、収入に見合っていないと判断される可能性が高くなります。
そうなると、希望する借り入れ額に届かず、物件の購入を断念しなければならないことも考えられるでしょう。
まとめ
頭金なしでも住宅ローンは組めますが、頭金があれば、それだけ返済にかかる負担を軽減できます。
とはいえ、低金利の現代では、頭金を貯めるよりも早めに購入したほうが良いとの考え方もあるでしょう。
メリットとデメリットを理解し、自身の生活やライフプランを見据えたうえで、頭金を用意するのかどうか検討することが大切です。
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