「鉄筋コンクリート造(RC造)」は、鉄筋を組んで型枠を作り、コンクリートを流し込んで固めて建てていく工法です。
強度に優れている点はよく知られていますが、詳しい特徴や「どんな建物に向いているのか」などはあまり知られてないのではないでしょうか。
今回は「鉄筋コンクリート造」について、メリット・デメリットを含む特徴を解説しましょう。
建物構造で鉄筋コンクリート造を選ぶメリット
●気密性が高い
隙間がないため、冷暖房の熱が逃げにくいでしょう。
●遮音性が高い
壁の厚さにもよりますが、遮音性が木造と比較して約10倍といわれており、生活音が響きにくいといえます。
●デザイン性に優れている
設計の自由度も高く、コンクリート面の特徴を生かした「打ちっぱなし」といわれるシンプルなデザインは、デザイナーズマンションなどにもよく使われています。
●耐震性・耐火性に優れている
地震が起きた際も揺れにくく、倒壊しにくい構造です。
また、骨組みを覆うコンクリートは 燃えにくい特徴を持っており、燃えるまでに時間がかかるので、逃げる時間が確保できます。
建物構造で鉄筋コンクリート造を選ぶデメリット
●費用が高い
RC造はほかの構造と比較して部材が高いのに加え、工期が長いことによって人件費がかさむ傾向にあります。
●重量が大きい
RC造は非常に重いため、土地を選んだり、地盤改良工事が必要な場合があったりするでしょう。
●モバイルWi-Fiの電波が入りにくい
コンクリートと鉄の両方が電波をとおしにくい性質を持っているため、鉄筋コンクリートの壁は電波をとおしにくいといえます。
●結露やカビが発生しやすい
RC造には、木造のような調湿機能がないため湿気がこもりやすく、気密性が高いことで結露やカビが発生しやすくなります。
●床が硬い
RC造は床が硬いため、“物を落とした時などに音が響きやすい”“転んだ時の衝撃が大きい”などのデメリットも考えられます。
●夏は暑く冬は寒い
コンクリートは熱伝導率が高く、外気の影響を受けやすいため、夏は暑く冬は寒い可能性があります。
●防音性が低いケースもある
構造によっては戸境壁に石膏ボードなどが使われる場合があり、防音効果が低いことがあります。
建物構造を選ぶ際に鉄筋コンクリート造に向いている方
メリット・デメリットを考慮すると、以下のような方であれば、鉄筋コンクリートに向いているといえるでしょう。
●音に敏感
RC造の遮音性により、上下階や隣室からの生活音が気になりにくいでしょう。
●安全性にこだわる
耐震性・耐久性・耐火性に優れているRC造は、安心感のある暮らしをもたらします。
●経済的に余裕がある
工期が長く、建築コストが高いRC造は、時間的かつ経済的余裕のある方におすすめです。
●LTE回線を中心に利用できる
また、遮断性の高い構造からWi-Fiはつながりにくい構造ですが、波長の長いLTEモバイル回線(スマートフォン電波など)なら繋がります。